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TEMPORARY

一時的な置き場

この降り積もった痛みは何処から来たのだろうか

!何もかも解決したあと

 三郎が大学に通ってから数ヶ月経った頃だ。中学、高校のときに理鶯に告白して振られ、色んな人と関われと言われたものの、三郎は未だ一人で過ごしている。元々誰かとわいわいと騒ぐより一人でいること方が気が楽なためだ。
 理鶯は休暇となるとヨコハマでキャンプをしながら過ごしていた。元々サバイバル生活というのが好きなのだろうか、或いは気を緩めてしまうことのないようにしたいのか三郎には解らない。僕も参加しても良い、と尋ねると彼女は快く応じてくれる。三郎は二回ほど理鶯に振られているが未だ好きなままだ。理鶯自身、三郎が自分に対して好意を寄せていることを知っている筈だ。なのに理鶯は受け容れることは勿論、拒絶もしない。三郎は理鶯の考えていることが解らない。万が一のことがあっても体力や技術的に勝てることから来る余裕があるのだろうなとぼんやりと三郎は思う。実際にそういう下心はなくとも組み合って何度か返り討ちにあったことがある。理鶯はいつまでも涼しい顔をして淡々とどこが甘いだのどこが良かっただの評していた。決まって彼女は小さく微笑んで、良い軍人になれると言うのだ。三郎には軍人になるつもりなんて一切もないのに、理鶯の何処か嬉しそうな顔を見ると強く否定出来ない。
 今回も今回とて三郎は彼女の気を引く為に彼女がいるキャンプ場へ向かっていた。中学生の頃と比べると随分キャンプに慣れた。最早趣味じゃんと二郎に笑われたことがあるが、下心に塗れたそれを趣味と称して良いのか解らない。罠を避けつつ三郎は獣道を歩いていく。大抵二人きりのキャンプであることが多いが、たまに帝統や左馬刻と銃兎がいることがある。三郎は二人だけが良いと強く考えている。別に理鶯は誰かのものでもないのに、自分自身の嫉妬深さにうんざりすることもあるが、そうあるべきことのように感じている。
 キャンプ場に着けば、理鶯が誰か知らない男と話しているのが見えた。ガタイの良い身体を見て、如何にも一郎とはまた違った男らしさというものを感じた。三郎の胸に何かどす黒くてどろりとしたものが零れ落ちる。二人は何か楽しそうに英語を話しながら笑っている。海外ドラマのワンシーンのようだった。
 男が三郎に気付き、視線を向けた。ぱち、と目が合う。男が英語で理鶯に話しかける。男が話す訛りのある言葉を三郎は話している内容をおよそ理解できた。さっき言ってた客人か、そうだ、それじゃあまたな、ああ気を付けて……恐らくそういった会話だ。
 男は三郎を見て友好そうな笑みを浮かべさせる。三郎はその意図が解らず凝視するしか出来ない。男は三郎が歩いて来た道を通って去って行った。三郎は男が見えなくなった後もその先をじっと見つめていた。

「さっきの……」

 漸く出した言葉は気弱な響きをしていた。どろ、どろ、どろ、と濁ったもので胸が満たされ容量を越える。口を開けばそのどろどろとしたものが口から際限なく零れ落ちて来そうで三郎は口を閉ざした。昔、共に軍に所属していた男だと涼しい声が鼓膜を震わす。三郎が振り返ると理鶯は空いた二つのカップを手に取るところだった。丁度近くを通ったらしい、と言われ三郎は瞬きをする。

「仲、良かったの?」
「そう、だな……それなりに」

 三郎は理鶯と過ごす時間をそれなりに経ていた。余り大きく表情の変えない理鶯の表情から彼女の感情を拾うことも上手になっていた。小さく笑む彼女が、酷く楽しいことを言外に物語っていた。期待と歓び。自分といるときはそんなにたくさん詰めてくれないのにと三郎はショックを受けた。辺りから酸素が急激に少なくなる。優秀な頭脳は酷く鈍い動きをし出す。耳の側で低い耳鳴りが響く。その耳の側で誰かが、恋人だったのかもと根拠のないことを際限なく囁き続ける。
 今この瞬間にでも理鶯を手に入れないと不安で、怖くて、頭がどうにかなりそうだった。
 夕食を終え、草木が寝静まったころに三郎だけは起きていた。二人で寝るには広くないテントの内側で、誰にも言えない、言うべきでない行為を行っている。三郎の目が暗闇でぎらぎら光っている。荒くなる呼吸を無理に抑えつけている呼吸音がやけに大きく聞こえた。三郎の下にいる、眠りに落ちている理鶯は彼女の意識の外側で足を大きく開かされていた。
 三郎は夕食にあるものを混ぜ込み理鶯を寝かすことに成功したのだった。キャンプ場の豊かな自然に生育する植物や菌類は、特定の組み合わせをすることで所謂睡眠薬や麻酔のような効果を出すものがある。三郎は高校生くらいのころに理鶯から一度だけそのことを聞いた。使うの、と尋ねて理鶯は獲物を捕らえるときにだけと回答したことを覚えている。そのときに配合するべきものとその割合を聞いた。三郎は今の今まで使わなかった。初めて使うものが好いた人になるとはこのときになるまで本当に思ってもみなかった。
 罪悪感など恐怖に押し潰されてぺちゃんこになっていた。月と星の柔からな光を更に柔らかくさせたテントの内側で三郎は意識を落とした理鶯の下着もろともカーゴパンツを脱がしたのだった。
 三郎は初めて目にした女性器をしげしげと見る。知識だけはあるが経験は今までなかった。こんなふうになっているんだ、と下生えのない処理されたなだらかな丘に指を押し付けさせる。薄暗い空間での目視では判らなかったが、指先にざらざらとした感覚がする。僅かに伸びてきた下生えなのだろう。三郎は肉のあわいに指を差し入れ、筋に沿って指を緩く往復させる。暫くそうしているうちにぬちぬちと粘着質の水音を鼓膜がとらえた。三郎は指に粘液を纏わせる。心臓がどくどくと跳ねて口から落ちてしまいそうだ。指先に力を籠めると胎内に入り込む。狭い肉筒は三郎の指に絡み付き、締め上げる。吸い付くような動きが、指の根元から先端へ向かって蠕動する動きが三郎の脳味噌を馬鹿にさせる。この狭い膣に自身の陰茎を挿入するとさぞ気持ちが良いのだろうと想像して背筋が震えた。逸る気持ちを抑え込み、指の本数を増やして拡張するように胎内を摺り上げる。肉襞はやがて異物を咥え込むことに慣れてきたのか、三郎の指を受け入れ始める。

「……んッ、はァ……っ」

 違和感、あるいは快楽でも得ているのか、理鶯が眉を顰めさせ、湿った息を荒くさせる。もぞりと寝返りを打とうとするが、三郎がいるせいで上手くできず、右腕がぱたりと左側へと落ちた。んん、と呻く姿が、どうも悩まし気で三郎は思わず息をすることを忘れさせられる。日中に見た、あの男にも見せたことがあるのだろうかと松脂のようにねちゃねちゃとした独占欲が顔を覗かせる。癪に障り、三郎はくそ、と悪態をつきながら胎内を拡げていく。ジャージの下に収まっている陰茎がずきずきと痛みを訴えていた。
 暫くそうしていると指は愛液でぐっしょりと濡れそぼっていた。三郎は寝間着として使っているジャージをボクサーと一緒に膝まで下ろす。ぶるんと飛び出た陰茎を見て、うわ、と思わず三郎は声を落とした。普段自分で触ることもそんなにしない性器は見たこともないくらいに膨れ上がっている。三郎は理鶯の脚を開かせて曲げさせた。手で陰唇を押し広げ、見えた割れ目に亀頭を擦り付けさせる。にゅぷ、くぷ、と粘液が空気を含ませ、弾ける音が湿った空気を震わせる。ふーっふーっ、と獣みたいな呼吸音が、自身の口から聞こえているのだと三郎は遅れて気付いた。ぐ、っと押し込むと理鶯の肉壁は思ったよりもかなり滑らかに三郎の陰茎を吞み込もうとする。

「っぐ、んっ、〰〰!」

 咄嗟に三郎は腰を引いた。雁の段差の部分に肉襞が集まり撫で回す。三郎は唇を噛み締め、痛みで気を逸らさせる。直ぐにでも射精してしまいそうだ。三郎の滲んだ汗が髪を伝い、理鶯のシャツに落ちて色を濃くさせる。三郎は理鶯の胎内に吐き出すことを想像してぶるりと背筋が震えさせた。自身のもので汚せることによる興奮なのか、歪な優越感や支配欲が満たされることに起因するものなのか判らない。既成事実となるものが欲しいわけじゃない。しかし既成事実となるものが出来てしまえば、きっと理鶯は三郎の言葉に頷くしかなくなるのだろう。理性のある人としてあまりにも身勝手で悪意に塗れた願望を脳裏に描く。
 三郎は理鶯の腰を恐る恐る掴んだ。軍人だったために傷跡の残る肌は何よりも美しく見えた。さすがに起きてしまうから、と三郎は浅い所で抽送を繰り返させる。腰を引くときに感じる肉襞が追い縋ってくる感覚に、求められているのだと錯覚してしまう。膨れた亀頭で、雁の部分で肉壁をぞりぞりとこそげるように擦りつけさせる。ある一点を擦り上げると肉襞がきつく締まり、肉襞が悦んでる。三郎は欲の儘に何度もそこを執拗に擦り上げる。

「ッふ、う、」

 理鶯の眉間に皺が深く寄せられる。逃げようとしているのか顔を背けさせた。足が何度も地面を蹴ろうとする。逃がすつもりはなくて、逃がしたくなくて三郎は腰を掴む手を強くした。浅い所だけと思っていたのに、抽挿する度に奥へ奥へと挿入って仕舞う。ぐちゅ、ぶちゅ、と空気が弾ける音が響く。吐精したい。目の前にいる女を自分のものだけにしてしまいたい。その欲求だけでただ実行している。

「っう゛、ッ、――」

 眼前がバチバチと弾ける。こんな快楽なんて今まで一度もなかった。温かくきつい肉筒に勢い良く精液が吐き出された。肉襞が三郎の陰茎をぎゅむぎゅむと強弱をつけて揉みしだく。三郎は誰かに教えてもらった訳でもないのにイヌみたいに腰をヘコヘコと前後させ、残滓を絞り出させて肉壁に精液を塗り込ませる。本能のままに腰を揺する姿はさぞ滑稽な姿だろう。口の端から粘度の高い唾液が零れた。
 ふ、と三郎は息を吐く。一度吐いたのに、陰茎はもうすでに硬度を取り戻しつつある。普段であれば冷静さが帰って来ていた筈なのに、三郎の脳味噌は未だぐらぐらと茹っている。腰を掴んでいた手を離し、そうっと移動して脚の付け根を親指で撫でる。

「さぶ、ろ……?」

 少し掠れた声が鼓膜を震わせる。瞼が押し上げられ顕になった薄青が三郎を見ていた。三郎は返事できず、ただ色の異なる双眸で理鶯をじっと見るだけだ。理鶯がただならぬ雰囲気に身動ぎをしかけた途端にんっ、と声を上げさせる。きゅぅ、と膣が陰茎を締め付けた。三郎の口の隙間から熱く湿った息が漏れる。危うく射精してしまいそうだった。
 なにを、と小さな唇が動く。焦燥が彼女の顔を強張らせる。三郎は確かに自身の胸が歓喜に震えているのを感じた。口角が上がるのを感じる。人は酷いことをしているときに笑ってしまうのだと三郎は恐らく生まれて初めて身を以て知った。理鶯は肘を着いて僅かに上体を起こし、二人の接合部を見る。僅かに目が見開かれ、やがてそれは伏せられた。

「……そう、か……」

 ふう、と理鶯の肺から息が漏れ出る。理鶯は上体を起こすことをやめて背中を地面に着けた。それは皿の上で腹を見せるようにして寝転ぶウサギを髣髴させた。三郎は両手を伸ばし、指を理鶯の汗が滲む首に絡み付かせる。とく、とく、と平常より少し早いか変わらない調子で三郎の手を押し返す。意図的にそうしているのだろうか。ほんの僅かに理鶯は身体を固くさせていた。急所となる首や脇腹を触れられるとどうしても緊張するのだと以前言われたことをぼんやりと思い出す。

「抵抗、しないの?」

 明らかな脅迫行為を行いながら三郎は問うた。理鶯は涼しい眼のまま真っ直ぐと三郎を見る。恐怖感はないのだろうか、いや、そんな筈はないと三郎は理鶯の目を見詰め返す。

「やめろと言った所で出来るのか?」

 静かな声だった。理鶯は泣く訳でもなく、責める訳でも怒る訳でも怖がる訳でもなく、尋ねたのだった。
 三郎はぽかんとした。まさしく虚を突かれたような気持ちだ。空白に、激情がじわじわと漣のように駆けよっては次第に満ちてくる。三郎はそれを上手に処理することも飲み下すことも出来ない。許容範囲を超えた瞬間、三郎の口から声が弾け飛んだ。

「何だよッ! 何なんだよ!」

 明確な怒りだった。理鶯は何も言わなかった。ただ静かな湖畔のような眼差しで、じっと三郎を見るだけだ。三郎は理鶯の両肩を掴んだ。それでも理鶯は怖がることも顔を歪めることもしない。三郎は自身の下唇を強く噛む。何が理由なのか解らないが、胸がきりきりと痛みを訴える。

「……僕がお前のことを好きって知ってるくせに、」

 じわりと溢れた涙が三郎の目から滑り落ちる。ぼたぼたと雨粒みたいに止め処なく落下する。三郎は手で自分の目を乱暴に擦る。何を言っているのか訳が解らないし子供みたいに泣いていることも恥ずかしい。何よりこんな手を使って平常ではないのは理鶯の方だろうと頭の中でわぁわぁと声がする。
 理鶯の親指が三郎の下瞼をそうっと撫ぜた。涙に触れて濡れた親指が静かに離れる。

「泣かれると、どうしたら良いのか解らない」

 理鶯の困ったような顔に三郎は鼻を啜る。こんなことをした|男《自身》を真っ先に怒るべきだろと理性が厳しい口調で言い放つ。

「……僕のこと、好きになって……」

 幼い言葉が三郎の口から滑り落ちる。理鶯は何も答えない。好きになれよ、と言葉を続けて落としたが、緩慢とした動作で瞬きをするだけだ。やがて理鶯は小さく息を吐いた。

「恋仲でなくとも性行為を行うことはある。……今回はそういうことにしよう」

 後ろからの方が動きやすいだろうと理鶯は一度三郎の陰茎を抜いた。腰だけを上げさせ、うつ伏せの姿勢を取る。そういうことって昔にもあったのと尋ねたかったが三郎にはその勇気はない。三郎は光に誘われる羽虫のように、ふらふらと理鶯に覆い被さる。粘液を纏った亀頭を膣口に押し当てる。膣口から白濁がとろりと零れ三郎の陰茎を濡らした。腰を推し進めれば一度目よりもすんなりと挿入り、吞み込んでいく。
 余り力任せにしないでもらいたい、と理鶯が告げた。三郎は一瞬躊躇ったあと、いっぱいいっぱいだから解んないと素直に言葉を落とす。少しの沈黙のあと、そうかとだけ彼女は言った。三郎は理鶯の腰を掴んだ。体液の滑りを借りてぐ、と力を込めると一気に肉壁を押し割る。

「っんン゛、」
「ぅあっ!」

 最奥に亀頭が当たった。小刻みに揺するようにすると呻くような声が聞こえる。全体をぎゅうぎゅうと抱き締められているようで気持ちがいい。

「――ま、ぁ゛っ、くるし……ッ、」

 胎内が自身のそれで圧迫されて苦しいのだと三郎は察した。誰と比較したのと問いたい気持ちをぐっと押さえつける、腰をゆっくりと引いては押し付けさせる。最奥を突くと亀頭に吸い付かれる感覚がして腰が溶けそうな程だ。身を捩らせて逃げようとする身体を三郎は反射的に押さえ付ける。奥を穿つように腰を動かせば、その調子に合わせて理鶯がくぐもった声を出す。声が聞きたいと思った。指で理鶯の唇に触れたが、意図を汲み取られたのか顔を背けられる。
 赤みの指した項に丸い汗が浮かんでいる。三郎は舌先で皮膚を舐め上げた。ぴく、と理鶯の肌が跳ねる。可愛いと口を寄せて、歯を立てた。

「ッ、んぐ……!」

 理鶯の肩甲骨の間が狭くなり、背を反らさせる。一際きつく締め付けられ、三郎は眉を顰めさせた。

「っだす、ナカっ……だすから、」

 黒い淀みが三郎の口からぼとりと落ちる。理鶯は何も言わない。否定も肯定もしなかった。三郎は奥歯を食いしばり、声を押し殺す。眼前で雷光が走り、強い快楽が全身を駆け抜けた。
 ふわふわとした脳に意識が戻っていく。二人分の荒い呼吸音が遠くの所から近くの所へ聞こえてくる。理鶯が首を捻って三郎を見ていた。薄い青にほんの僅かに熱を孕ませている、ように見えた。キスがしたいと思って三郎は口を寄せさせる。理鶯はハッとした顔をして、掌で三郎の口を軽く抑えた。

「何で」

 硬い声に珍しく理鶯は答えなかった。子供を納得させるための都合の良い言葉を探しているのだろう。三郎は口を抑えている理鶯の手首を捉えた。強く引き、露わになった唇に自身のそれを押し付けさせる。理鶯の唇は想像していたものよりもずっと柔らかで温かかった。
 片づけを終え、三郎は理鶯と同じマットで寝転がっていた。警戒心が欠落しているのかとさえ思えてくる。理鶯は今回ばかりは子供のしたことだからとはっきりと言い切った。三郎の喉に何かつっかえているような感覚がする。それがどういう感情なのか、未だ三郎は判らない。身体、しんどくないと自分で尋ねながら嫌悪感に苛まれる。理鶯はにこりと笑みを浮かべさせた。安心させるための、作られた笑みだ。早く寝ると良い、と理鶯は三郎の背を撫でる。三郎はそのままうとうとと眠りに落ちた。
 明け方近くに、理鶯はさて、と頭の切り替えをする。子供は安らかな寝息を立てている。正午あたりには左馬刻たちが来る予定だ。性行為の残滓を見れば彼らがどういった反応をするか想像に難くない。理鶯は一度寝床から出て、テントの外へと出た。冷たい新鮮な空気が皮膚を撫でる。取りあえずと以前左馬刻が置いて行って、好きに吸っても良いと言われていた煙草に火を点ける。すう、と煙を深く吸い込む。煙草の殆どが燃えた頃に一気に吐き出した。ゆっくりと瞬きをする。何も考えたくなかった。取り敢えず、と残滓を処理することにした。理鶯は左馬刻たちに指摘されるまで、項に歯形が残っていたことに気が付かなかった。

2024/04/30
さぶりお♀